7月のサイエンスカフェin静岡は月末の31日(木)に開催します。今回の担当は静大農学部応用生物化学科の轟泰司教授で、タイトルは 『小分子による植物のストレスマネジメント』です。
ポスターには「動物と違って動くことができない植物は,様々な環境ストレスに耐えて生き延びる術をたくさん持っています。いろいろな仕掛けを施した小さな分子を使って植物のストレス耐性をコントロールしてみましょう。」と書いてあります。6月のカフェに続いて生物に関係するお話しですが、毛色はだいぶ違いそうですね。
今回の話題に関する轟先生の論文が今年5月の「ネイチャー・ケミカル・バイオロジー」誌に掲載されました。静岡新聞でも「不作の原因抑制する化合物 世界初生成 静岡大教授ら」という記事に取り上げられています。
http://www.at-s.com/news/detail/1033812723.html
植物は乾燥などの環境ストレスを受けるとアブシジン酸(ABA)とよばれる植物ストレスホルモンを多量につくり出し、これが不作を引き起こす原因となってしまいます。轟教授はこのABAの分子を少しだけ加工したAS6という分子を新しく合成しました。AS6は植物にABAとして認識されて必要な働きを引き起こすのですが、加工のお陰で生育を阻害する効果はなくなっています。
なんと巧妙な方法でしょうか
農作物の成長を調節するため、これまでは人工的に作られた農薬や遺伝子組み換え技術が用いられてきましたが、AS6は天然のホルモンであるABAの分子構造をごく一部変えただけなので、それらより環境への負荷が少ない「農薬」になる可能性がありますね
どんな効果があるのかは下の写真で一目瞭然
写真説明:「乾燥耐性を増強する小分子を散布した芝(左)と散布しなかった芝(右)」
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最近のカフェは大入りになる場合が多く、満席を越えてしまい入場制限をすることもしばしばです。折角遠くから来て頂いたのにお帰り頂くのは本当に申し訳ないことです。
しかし、消防法の定めにより満席になってしまったら、入場をお断りせざるを得ません。先着順で150名までですので、どうかご了承下さい。
満席になるのはほとんどの場合、開始時刻である18時前後です。ご都合のつく方はお早めにお越し下さい。開場は17時を予定しています。
(ご予約は受け付けておりません。また、遅れてくる方のための席取りもご遠慮頂いております。)
当日の混雑状況はツイッター にて17時半頃から実況します。遅れそうになったら、参考にして下さい。
ツイッターのアカウントは →
https://twitter.com/SciCafeShizuoka です。 #SC静岡 というタグで検索すると出てきます!
(以前はツイッターと同時にブログでも混雑状況を実況していましたが、時間的に難しいのでツイッターのみに致します。)
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サイエンスカフェin静岡 第88話
2014年7月31日(木)
講師: 轟泰司教授(静岡大学農学部応用生物化学科)
演題: 小分子による植物のストレスマネジメント
☆会場: B-nest 静岡市産学交流センター(静岡市葵区御幸町3-21 ペガサートビル6階)
地図はこちら→
http://www.b-nest.jp/map.html
セノバの向かい側、御幸町図書館の入っているビルです。
☆時間:18時〜19時半(開場17時)
17時半ごろから数学科の先生監修による「数学パズル」もやってます!
☆入場無料(無料なのに、なんと茶菓子と飲み物付きですよ。)
☆事前申込不要 直接会場へおいで下さい。
ただし、定員150名を越えた場合は安全上の問題があるため入場をお断りしています。
このため、余分な席取りはお断りしておりますのでご了承ください。
★参加対象: 聴衆として高校生程度〜シニア層を想定していますが、最近は小中学生の参加者、常連さんも増えてきました。「科学」と「科学者」に興味を持っていて他のお客様の迷惑にならないように静かに聞いて下さるお子さんは「未来の科学者」として大歓迎です!