サイエンスカフェin静岡、
今月は9月11日(木)に開催します。
今回から第19シーズンが始まりますが、その初回は木村榮一先生のお話しです。
木村先生は昭和13年生まれ。静岡高校から東京大学薬学部へ進まれ、大学院修士修了後、フルブライト留学生としてNorth Carolina州立大大学院の博士課程に入学、その地で化学系Ph.D(博士)を取得しました。帰国後、広島大学医学部薬学科に着任し、10年ほど前に広島大学教授を定年退職され同大学名誉教授の称号を受けています。
日本薬学会会頭を勤められるなど薬学・化学の世界で大活躍された文字通りの碩学で、平成16年に紫綬褒章、本年度春には瑞宝中綬章を受章されています。
[瑞宝中綬章受章祝賀会での一コマ]
ご生家が静岡であるご縁から、今も静岡大学理学部の客員教授をお願いしています。また、サイエンスカフェin静岡のご常連で、ほとんど毎回のようにご出席頂いております。
木村先生には、既に2回もサイエンスカフェin静岡でお話しをされており、いずれも大好評でした。
平成20年 2月28日【第14話】
「くすりの発明エピソード」
平成21年 5月28日【第28話】
「不思議な形の分子合成―遊び心と数学と化学の融合―」
では、3回目のタイトルは…
研究人生を俯瞰する歓び -「まことの花」求めて老活中-
タイトルからすると、いつものカフェとは少しおもむきが違いますね。ポスターにも以下のように書かれています。
「研究人生は、「風姿花伝」(室町時代の能楽達人世阿弥著)の説く年代毎の修行放・心得・美学が手本です。「まことの花」たる研究を目指し「稽古」に励んできましたが、ついに「麒麟(きりん)も置いては駑馬(どば)に劣る。さりながらまことに得たらん能者ならば花はのこるべし」という最終年代に至りました。その「のこるべき花」とは何か。老活中の薬化学研究者のお話です。」
まるで、既に科学の世界からは引退したようなことを書かれているのですが、さにあらず。2012年にはご専門の亜鉛を含んだ酵素についての専門書「Zinc Hydrolases」の 最新化を行われるなど、75歳にして現役の研究者です。
明日のカフェでは、木村先生の多彩な研究の軌跡をご紹介頂いたあと、ご専門である
「大環状ポリアミンの化学構造と機能」や
「亜鉛酵素中の亜鉛イオンの機能」について解説して頂きます。
さらにそのような基礎研究から派生し、発展した
「亜鉛イオンの蛍光分析技術」、そして木村先生の研究に端を発した最先端技術
「金属錯体型人工DNA」 と、盛りだくさんな内容でお話し頂く予定です。どうぞお楽しみに!
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サイエンスカフェin静岡 第89話
2014年9月11日(木)
講師: 木村榮一先生(広島大学名誉教授・静岡大学客員教授)
演題: 研究人生を俯瞰する歓び -「まことの花」求めて老活中-
☆会場: B-nest 静岡市産学交流センター(静岡市葵区御幸町3-21 ペガサートビル6階)
地図はこちら→
http://www.b-nest.jp/map.html
セノバの向かい側、御幸町図書館の入っているビルです。
☆時間:18時〜19時半(開場17時)
17時半ごろから数学科の先生監修による「数学パズル」もやってます!
☆入場無料(無料なのに、なんと茶菓子と飲み物付きですよ。)
☆事前申込不要 直接会場へおいで下さい。
ただし、定員150名を越えた場合は安全上の問題があるため入場をお断りしています。
このため、余分な席取りはお断りしておりますのでご了承ください。
★参加対象: 聴衆として高校生程度〜シニア層を想定していますが、最近は小中学生の参加者、常連さんも増えてきました。「科学」と「科学者」に興味を持っていて他のお客様の迷惑にならないように静かに聞いて下さるお子さんは「未来の科学者」として大歓迎です!