12月13日(木) のサイエンスカフェin静岡は・・・
第71話 近藤 満 (静岡大学機器分析センター准教授)
カプセル分子を用いた有害イオンの除去
過塩素酸イオンは自然界にも存在するほか、工業的にも製造されているありふれた物質です。このイオンはよく水に溶けますが、水溶液からの除去が困難なことで知られています。化学的に安定で簡単には分解できないうえ、非常に水に溶けやすくて、沈殿させたり吸着させたりして取り除くのが難しいのです。ところが最近(2000年代〜)になって、過塩素酸イオンが乳幼児に対して毒性があるという研究結果が出てきました。まだ調査が始まったばかりではありますが、研究は進めておく必用があります。
近藤先生は金属イオンと有機化合物から合成されるカプセル型の分子を利用して、過塩素酸イオンなど高溶解性陰イオンの新しい除去方法について研究しています。
下の図で緑の丸(塩素)に赤の丸(酸素)が4個ついているのが過塩素酸イオン(ClO
4)です。このイオンが黒い丸(炭素)と水色の丸(窒素)、青い丸(銅)で出来た分子のカプセルに取り込まれてるのが分かるでしょうか。このように分子レベルでイオンを吸着させているのです。(注:この図では水素は省略しています。)
近藤先生は第2代目のサイエンスカフェ店長であり、当カフェがオープンした直後の第4話でも講演しています(平成19年 3月15日 「分子で分子をつかまえる 」)。以前の講演から約6年経ちますが、その間にさらにすばらしい研究成果が上がっています。
この研究は大変ユニークで国際的にも注目されており、実用化に向けた研究も始まっているとのこと。
純粋な基礎研究が思いもよらなかった実用化につながる例として、私たちも大いに期待しています。
今回もどのくらいの方がいらっしゃるのか、ちょっと見当がつかない・・・
このブログとツイッターで5時頃から会場の混雑状況を実況しますので、参考にして下さい。
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サイエンスカフェin静岡 第71話
2012年12月13日(木)
カプセル分子を用いた有害イオンの除去
近藤 満 (静岡大学機器分析センター准教授)
☆会場:B-nest 静岡市産学交流センター(静岡市葵区御幸町3-21 ペガサートビル6階)
地図はこちら→
http://www.b-nest.jp/map.html
セノバの向かい側、御幸町図書館の入っているビルです。
☆時間:18時〜19時半(開場17時)
17時半ごろから数学科の先生監修による「数学パズル」もやってます!
☆入場無料(無料なのに、なんと茶菓子と飲み物付きですよ。)
☆事前申込不要 直接会場へおいで下さい。
ただし、定員150名を越えた場合は入場出来ないことがあります。
このため,余分な席取りはお断りしておりますのでご了承ください。
当日の参加状況は当ブログとツイッター にて17時半頃から実況します。
ツイッターのアカウントは →
https://twitter.com/SciCafeShizuoka
★参加対象 聴衆として高校生程度〜シニア層を想定していますが、最近は小中学生の参加者も増えてきました。「科学」と「科学者」に興味を持ってくれて,他のお客様の迷惑にならないように静かに聞いて下さるお子さんは「未来の科学者」として大歓迎です!