先月は特別企画の次の週にも、通常版カフェを予定どおり開催しました。
2週続けてのカフェだったので参加者は減ってしまうかなという心配は杞憂に終わり、大入り満員でした。
皆様、毎度ご来店有り難うございます!
古生物のカフェは初めてだと思いますし、なにしろタイトル「繁栄への助走路を走り抜けた動物たち」なんて、とても魅力的・・・
今回の担当は理学部地球科学科の鈴木雄太郎先生、専門は古生物学で特に三葉虫の専門家です。
三葉虫の話が中心かと思いきや、節足動物の誕生から説き起こし、それがどう進化してきたのかを多くの化石の写真などをつかって詳しく話して頂きました。
五億年以上前に栄えたバージェス動物群のアノマロカリスやハルキゲニアは、グールドのベストセラー「ワンダフル・ライフ」にも登場する「有名人」ですが、彼らも節足動物だということです。その子孫だという有爪動物のカギムシの動画(ナメクジみたいですが、口から粘液を飛ばして餌を採る!)などもあって、興味津々。
私も不勉強で「古生物学」と聞くと、化石を探して分類するだけの「博物学」というイメージでした。でも、鈴木先生の研究は、化石からその時代の動物がどんなふうに生きていたのか、またどうしてそんな形になっているのかを解明するというものでした。つまり、今生きている生物と同じように過去の生物の生態や体の機能を研究しているわけです。
例えば、三葉虫がなんで「三葉」なのか、中葉と左右対の側葉を持っているのか? 化石と今の節足動物と比べてみると、この形だと酸素の取り込みに有利なのではないかという結論に達する。そういった探求の方法がとても興味深く、エキサイティングでした。
また、最後に出てきた動画では、三葉虫がダンゴムシのように丸まる姿が出てきてビックリ!
かなり学術的で専門的な内容だと思ったのですが、質疑応答も活発でした。高校生からも鋭い質問が・・・
さて、来週5月19日は静岡大学理学部物理学科の岡 俊彦 先生による第52話「SPring-8 とそこで行われる利用実験」です。
SPring-8は兵庫県にある極めて強力なX線を発生させ、それを学術研究や産業用として利用するための施設です。この強いX線(放射光)を作り出すため周長が1.4kmの円形の放射光施設(世界最大)が1997年から稼働しています。
この巨大施設を使って岡先生が行っている生物物理の分野についてのお話です。大きな施設と超強力なエネルギーを使って行う、分子レベルの研究とは、はたして!?
Posted by 元サカ at
14:29
│Comments(2)
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サイエンスカフェ in 静岡(ブログ支店)に情報アップされました! ここ
開催をしらなかったので 今凄く悔しい気持ちです。・・・是非受講しtかった。
PCでハンドルネームやIDは ハルキゲニア・ピカイアなどカンブリア紀の
バージェス動物群の名前を引用しているくらいのファンなのです。
5億年前にこのような生物が存在していて 現在に結びついている。
ヒトなどたかだか数百万年です。
そのヒトたちが地球は我らのものと信じて疑っていないことが 非常に不遜
なことであると思っています。
だから環境問題にも関心があります。ヒトの犯した罪ですから…
若杉様
コメント有り難うございます。
御参加できなかったとのこと、残念でした・・・ 今回の参加者は記名分だけで135名と、いつも以上に盛況でした。古生物のファンの方は、大勢いらっしゃるようです。
準備が出来次第、講演ダイジェストを公式ページの方へアップしますので、よろしければご覧下さい。http://www.sci.shizuoka.ac.jp/sciencecafe/backnumber.html
また、サイエンスカフェの今後の予定等は静鉄構内や車内のポスター、このブログ、あるいはメーリングリスト等でお知らせします。取り扱う分野が広いので、次回の古生物関係のカフェが何時になるか分かりませんが、その時には是非ご参加下さい。もちろん、他分野のカフェの時もよろしくお願いします!
(メーリングリストに御参加を希望される場合は、sci-cafe@ipc.shizuoka.ac.jp宛に メーリングリスト登録希望と書いてメールをお送り下さい。御氏名等は不要です。)
環境問題は私も自然科学者として多いに関心があります。ただ、あまりに過激な環境保護活動、人類=悪者の図式は行き過ぎだとも思います。
環境保護は「罪滅ぼし」ではなく、我々人類にとっての住みよい環境、人類誕生以来の慣れ親しんだ環境の保持という「人類の利己主義」と考えた方が、私には理解しやすいように思います。
たとえば、絶滅危惧種の保護を訴える人でも、天然痘ウイルスの野生種の保護をしたいとは思わないはず・・・(笑)