サイエンスカフェin静岡の5周年記念として、今回は伊東学長に講演をお願いしました。
「ことばの工学:自然言語の意味表現 〜文と工の間で〜」というタイトルは自然科学系の話題がほとんどの当カフェとしては異色のものです。文系と理系の境界的な話題としては、これまで斎藤 憲先生(大阪府立大学)の「アルキメデスの失われた写本を読む」(平成22年11月)があったくらいでしょう。興味を引かれた方が多かったようで参加者はいつもより少し多めだったような気がします(記帳分で100名前後)
今回の話は、人が普通に使っている言葉(の意味)をコンピュータに「理解」させるための手順についてのものでした。
赤い車、赤い色の車、あの車の色は赤い、あの車は赤い・・・ 同じ意味なのに違った言葉になっているものでも、言葉の構造を解析していくと同じものとして扱うことが出来る。英語でも中国語でも同じ構造が出てくる。そうなればコンピュータにも理解させることが出来るだろう。私なりにまとめるとこんな感じかな・・・
そのためには文法を極める必要もあるわけで、サイエンスカフェの講師が「連体形」とか「用言」なんて文法の用語を口にしているのは、なかなかに奇妙で面白くもありました。「かろ、 かっ、く、い、い、けれ」なんて何年ぶりに聞いたろう(笑)
私も日本語の構造、文法には興味があって、それは試験問題を作ったりするときに必要に迫られてのことだったりするのですが、こんな切り口もあったとは驚きでした。
こういった解析を続けていって鉄腕アトムや、「2001年宇宙の旅」に出てくるコンピュータHAL9000のように人と会話できるようにしようというのが最終目標とのこと。アトムは言葉を理解しているだけではなく「心」を持っているのではないかなどという深遠な質問も飛び出すなど、とても充実したカフェになりました。皆さん、身近な「言葉」というものには関心が高いようですね。
伊東先生が講演で挙げていた「象は鼻が長い―日本文法入門(三上章著)」は1960年に出た歴史的な名著で、私も読みました。調べたらまだ手に入るようです。アマゾンなら
こちら。
またウナギ文については1978年刊の
「ボクハウナギダ」の文法―ダとノ(奥津 敬一郎著)がありますが、こちらはどうやら絶版のようです。ウナギ文の他にもコンニャク文「コンニャクは太らない」なんてのがあって、なかなか楽しい(*^_^*) ウナギ文もコンニャク文も検索すると山ほど出てきますよ!
ところで今回は阪東店長のデビューでもありました。
はじめは緊張気味でしたが、直ぐに慣れたようで堂々たるもの。
実験物理が御専門であるだけに、こういうった手作りツリーもお手の物。
発光ダイオードとファイバーで作ったそうです。
このカフェ、学長のブログで紹介して頂きました。こちらからもリンクしておきます。
http://shizudaigakucho.blog20.fc2.com/です。
Posted by 元サカ at
13:18
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